tanitaniblog Written by tanitani

美波「DROP」歌詞分析

歌詞分析

Aさん
Aさん
美波「DROP」の歌詞ってどんな意味なのかな?作詞家の視点から歌詞を分析してほしい。作詞のコツや技を知りたい。

このような疑問にお答えします。

本記事の内容

  • 美波「DROP」の楽曲クレジット
  • 美波「DROP」の意味
  • 美波「DROP」の歌詞
  • 美波「DROP」の歌詞分析
  • 美波「DROP」の本質

本記事の信頼性

この記事を書いているtanitaniは、現在シンガーソングライター歴2年目です。普段から曲作りをしており、持ち曲は100曲以上です。

今回は、美波「DROP」の歌詞分析をご紹介します。

独特なワードセンスで若者から絶大な人気を集めている美波。その楽曲の歌詞をもっとわかりやすく知りたいと思っている方は多いと思います。そこで今回は、作詞家の視点から歌詞を分析していきます。美波さんの作詞術を知りたい方は必見です

それでは、前置きはこの辺にして、早速ご紹介していきます。

(※あくまで、本記事の歌詞分析はtanitaniの個人的解釈によるものです。「歌詞」に正解など存在しません。一つの解釈としてお楽しみください。)




美波「DROP」の楽曲クレジット

2021年7月21日(水) 美波 New CD「DROP」の発売が決定しました。

収録曲はこのような感じです。

収録曲

  • 01.アメヲマツ、
  • 02.フライハイト
  • 03.DROP
  • 04.この街に晴れはこない
  • 05.君と僕の154小節戦争

今回ご紹介する「DROP」が収録されています。やっと音源化されます!!

美波「DROP」の意味

楽曲名の「DROP」の意味とはなんでしょうか?

考えられる意味をいくつかご紹介いたします。

  • 意味①:お菓子
  • 意味②:涙

順番に見ていきます。

意味①:お菓子

まず、1つ目の意味が、お菓子です。


「ドロップ」というお菓子を聞いたことがありますか?

「ドロップ」は、キャンディの一種です。

そして、キャンディとは砂糖を主原料にして作られたお菓子の総称です。キャンディは大きく2つの種類に分けることができます。

  • ハードキャンディ:高温で加熱して固めたもの
  • ソフトキャンディ:中温くらいで煮詰めて柔らかく仕上げたもの

そして、そのハードキャンディの一つにドロップという商品があります

つまり、ドロップとは、お菓子のドロップという意味であると考えられます。

歌詞のなかに「舐める」「噛む」という言葉が登場することからもその意味で間違いありません。

意味②:涙

意味②:涙

2つ目に、英語で「drop」の意味を調べてみました。

すると、「しずく」「(しずくの)1滴」という意味が出てきました。

これは涙の隠喩として機能します。

つまり、「DROP」には涙の意味も含まれていると考えられます。

それでは、「お菓子のキャンディ」と「涙」の意味を持つ「DROP」の歌詞を見ていきましょう。

美波「Drop」の歌詞

「DROP」 作詞 美波

だって喉が渇いたから
と潮水呑み込んで
都会しょっぱくて
ドロップ甘ったるくて
少し舐め過ぎていた

急ぎすぎていたから
見過ごしたものばっかりだ
ガードレールの内側じゃ
真剣だった単純リリックもう届かなくなった

私はずっと あれからずっと あのままずっと 変わってないよ
野良り 昏り 意味もなく歩いた夜を跨いで
朝にはきっと 治るからって 繰り返してって 元どおりなんだ
今宵も夢詐欺夢泥棒の
アバランチだな

東京 激戦区
くだらない妄想しないように 見ないように起きないように 覚めないようにって
今日も分かり易すぎんだろ どこもかしこも赤と青だけの選択肢(おうだんほどう)だ
それからずっと 僕らはきっと明日(よあけ)にずっと 怯えるのだろうか
かなり 目迷(めまい)すぐに慣れてしまう自分怖くて
満たされたって 満たせなかった
前よりもずっと息(いき)づらくなった
まだきっと迷えたんだろうか

冷たく冷たく 不安定な夜が
同じような人が僕を
慰めてくれるから

私はずっと あれからずっと あのままずっと 変われてないよ
のらり くらり 変わっていったのはこの街とお前らじゃないか
それとも君か 君かい いや僕だ

それでもずっと私ずっと相変わらずずっと待ち続けてるよ
欲しいものも手に入れれば何も見えなくなっていく
そうやってきっとこれからずっと
確かにここにあるのに消えていく
本当くだらないよな
いつだって僕達は臆病のど真ん中に立って
いつか見た街中のポスターかっこいいって思ったんだ
そろそろ飽きてしまうから
溶(な)くなる前にかんでしまうよ

ひどく いたむよ
ひどく いたむけど

美波「Drop」の歌詞分析

「DROP」の歌詞をこのような流れで分析していきます。

  • A1:届かない音楽
  • C1:変わってない
  • A2:甘くない世界
  • C2:迷いたい
  • D1:不安定な夜
  • C3:変わってしまったのは誰?
  • C4:痛み

それでは、歌詞を分析していきましょう。

A1:届かない音楽

A1:届かない音楽

だって喉が渇いたから
と潮水呑み込んで
都会しょっぱくて
ドロップ甘ったるくて
少し舐め過ぎていた

急ぎすぎていたから
見過ごしたものばっかりだ
ガードレールの内側じゃ
真剣だった単純リリックもう届かなくなった

それでは、A1の注目ポイントを見ていきましょう。

ポイント①:少し舐めすぎていたとは?

<少し舐め過ぎていた>には、2つの意味が込められています。

  • 意味①:ドロップという飴を少し舐めすぎていた
  • 意味②:都会で音楽活動することを少し舐めすぎていた

意味②に関して、なぜ都会で音楽活動することを少し舐めすぎていたのか?

その理由が<都会しょっぱくて>の部分です。

しょっぱいには、困惑・不快感などで顔をしかめるさまという意味があります

つまり、主人公が東京で音楽活動をしていても、人々は顔をしかめるばかりだったのです。主人公は、自分の音楽が都会では通用しないと自覚しました。

続いて、ポイント②を見ていきましょう。

ポイント②:ガードレールの内側とは?

<ガードレールの内側じゃ>とは、どういう意味なのでしょうか?

歩道↑|ガードレール|車道↑|車道↓|ガードレール|歩道↓

ガードレールの内側とは、歩道のことです。歩道とは、車道に対し人が歩くように区分された専用部分。

そして、ガードレールによって守られた歩道は、言い換えれば「安全地帯」と言えます。

つまり、主人公は、安全地帯で書いた当たり障りのない歌詞では誰の心にも響かないと気づいたのです。

それでは、C1を見ていきましょう。

C1:変わってない

C1:変わってない

私はずっと あれからずっと あのままずっと 変わってないよ
野良り 昏り 意味もなく歩いた夜を跨いで
朝にはきっと 治るからって 繰り返してって 元どおりなんだ
今宵も夢詐欺夢泥棒の
アバランチだな

C1の注目ポイントは2つ!

  • ポイント①:キャッチーなサビ
  • ポイント②:<夢 詐欺 夢>とは?
  • ポイント③:<泥棒のアバランチ>とは?

順番に見ていきましょう。

ポイント①:キャッチーなサビ

本楽曲のサビでは各所で韻を踏んでいます。確認してみましょう。

私はずっと(zutto)  あれからずっと(zutto)  あのままずっと(zutto)  変わってないよ
野良り(rari) 昏り(rari) 意味もなく歩いた夜を跨いで
朝にはきっと(kitto) 治るからって(ratte) 繰り返してって(tette) 元どおりなんだ
今宵も夢詐欺夢泥棒の
アバランチだな

「っ」を使うことで、音が弾む効果があります。
それをサビの冒頭で多用することで、非常に覚えやすいサビとなっています。

ポイント②:<夢 詐欺 夢>とは?

主人公の夢とは、音楽を生業にすること。

しかし、主人公の夢を邪魔してくるものがいます。

それが、詐欺師

「うちの事務所に入れば絶対売れるよ」「メジャーデビューしてみない?」
Bさん
Bさん

そんな甘い言葉で音楽を目指す若者を騙し食い物にする詐欺師がこの世のなかには実際に存在します。

ここでは、そんな詐欺師に対する皮肉が表現されています。

ポイント③:<泥棒のアバランチ>とは?

まずは、それぞれの言葉の意味を見ていきましょう!

  • 泥棒:他人の物を盗むこと。また、その人。
  • アバランチ:雪崩(読み方 なだれ)…山腹や傾斜地に積もった大量の雪が急激に崩れ落ちること。

ここで雪崩という意味は不自然です。アバランチは、おそらく隠喩として機能します。

<泥棒のアバランチ>=音楽という夢を盗む詐欺師の大群といったところでしょう

これを読んでいるあなたも、甘い言葉で誘ってくる大人には十分気をつけくださいね。

それでは、A2を見ていきましょう。

A2:甘くない世界

A2:甘くない世界

東京 激戦区
くだらない妄想しないように 見ないように起きないように 覚めないようにって
今日も分かり易すぎんだろ どこもかしこも赤と青だけの選択肢(おうだんほどう)だ

A2の注目ポイントは3つです。

  • ポイント①:韻踏み
  • ポイント②:<東京 激戦区 くだらない妄想>とは?
  • ポイント③:<赤と青だけの選択肢(おうだんほどう)>とは?

順番に見ていきましょう。

ポイント①:韻踏み

このA2で特徴的な部分が(-aiyouni)という音で韻を踏んでいる部分です。

東京 激戦区
くだらない妄想
しないように(shinaiyouni) 見ないように(minaiyouni)
覚めないように(naiyouni) 起きないように(kinaiyouni)
って今日もわかりやす過ぎんだろ
どこもかしこも赤と青だけの横断歩道だ

4回、(-aiyouni)という響きが登場し、非常に耳に残りやすいです。

ポイント②:<東京 激戦区 くだらない妄想>とは?

このフレーズは前後に分けて分析します。

  • 東京 激戦区
  • くだらない妄想

順番に見ていきましょう。

東京 激戦区

東京には、「歌手になりたい」「音楽で食っていきたい」と夢見る若者が溢れています。

しかし、表舞台で活躍できるのは一握りだけです。

なんせ日本全国から集まった猛者たちによる椅子取りゲームですからね。それほど、東京で音楽をするのは難しく、激戦なのです。

この状態を<東京激戦区>のフレーズで表現しています。

くだらない妄想

  • くだらない:真面目に取り上げるだけの価値がないこと。
  • 妄想:あり得ないことをあれこれ想像すること。
要するに、<くだらない妄想>とは、音楽の夢が叶う想像をすることです。

音楽で大成するのは、本当に難しい。主人公は自覚していました。

ポイント③:<赤と青だけの選択肢(おうだんほどう)>とは?

日本にある横断歩道のほとんどがの信号機です。。

おそらく<赤と青だけの横断歩道>は、東京で音楽を続けるには、売れるか売れないか、その2択の道しかない」という意味でしょう

主人公は、音楽に良し悪しはなく、全てに価値があると思っていた。だけど、夢を叶えるためには売れなきゃいけない

主人公は、このどうしようもない現実を突きつけられたのです。

それでは、C2を見ていきましょう。

C2:迷いたい

C2:迷い

それからずっと 僕らはきっと明日(よあけ)にずっと 怯えるのだろうか
かなり 目迷(めまい)すぐに慣れてしまう自分怖くて
満たされたって 満たせなかった
前よりもずっと息(いき)づらくなった
まだきっと迷えたんだろうか

ポイント①:迷いたい

<まだきっと迷えたんだろうか>は、迷いに対して憧れのような前向きな印象を与えています。

主人公は、迷う以前の段階で何か問題を抱えしまった。だから、前に進むべく、迷いたいという願望を抱いていると考えられます。

それでは、D1を見ていきましょう。

D1:不安定な夜

D1:不安定な夜

冷たく冷たく 不安定な夜が
同じような人が僕を
慰めてくれるから

ポイント①:<同じような人>とは?

主人公にとっての同じような人とは一体誰でしょう?

それは、音楽が好きな人です。

  • 音楽を夢見る同志
  • 主人公のファン
  • 憧れのミュージシャン

冷たく不安定な夜が襲ってきても、彼らの存在が主人公を慰めてくれると気付きます。

それでは、C3を見ていきましょう。

C3:変わってしまったのは誰?

C3:変わってしまったのは誰?

私はずっと あれからずっと あのままずっと 変われてないよ
のらり くらり 変わっていったのはこの街とお前らじゃないか
それとも君か 君かい いや僕だ

ポイント①:変わってしまったのは誰?

最初に、<変われてないよ>と歌う主人公。

しかし、「この街」「お前ら」「君」、そして「僕」、誰もが必ず変わっていると気付きます。

それでは、C4を見ていきましょう。

C4:痛み

C4:痛み

それでもずっと私ずっと相変わらずずっと待ち続けてるよ
欲しいものも手に入れれば何も見えなくなっていく
そうやってきっとこれからずっと
確かにここにあるのに消えていく
本当くだらないよな
いつだって僕達は臆病のど真ん中に立って
いつか見た街中のポスターかっこいいって思ったんだ
そろそろ飽きてしまうから
溶(な)くなる前にかんでしまうよ

ひどく いたむよ
ひどく いたむけど

ポイント①:<確かにあるのにここに消えていく>とは?

<確かにあるのにここに消えていく>、この主語はなんでしょう?

その正体は、主人公の音楽に対する情熱

それでも、その情熱が消えていくことを自覚することで自分に情熱があることを認めています。

ポイント②:<そろそろ飽きてしまうから>とは?

これは、ドロップ(キャンディ)の味が飽きたという意味かもしれません。

しかし、それだけでは単純すぎます。

おそらく、「飴→甘い」という連想から、甘い考えはもう飽きたということでしょう。

主人公は、音楽に対する自分自身の甘い考えに飽きてしまったので、音楽と真剣に向き合いたいと誓っていると考えらます。

美波「DROP」の本質

「Drop」の本質

以上で、「DROP」の歌詞分析を終わります。

歌詞分析を終えて、「DROP」の本質を挙げるとするならばこちらです。

  • 本質①:音楽で生きていくのは甘くない
  • 本質②:それを忘れないようにするための誓いの歌

主人公の「音楽」に対する向き合いかたを描いたような曲でした。心に響くフレーズばかりで胸が痛かったです。

本記事を読み終えたいま、もう一度「DROP」を聴いてみてはいかがでしょう。

それでは、今回の歌詞分析は以上です。

美波さんのCDを手に入れたい方は必見

美波さんは現在、CDを2枚リリースしています。

今回ご紹介した「DROP」が収録されているCDは下記のリンクからご購入できます。

また、デビューシングル「カワキヲアメク」は下記のリンクからご購入できます。

 

デビューシングルにして、神曲が4曲も入っているので、買って損はないです。

関連記事

美波さんの楽曲の歌詞分析に関する記事はこちらをご覧ください。

歌詞分析【美波】